山口達也氏の騒動は後味の悪い結末に 最大の問題は何だったのか


TOKIO問題を取り上げるスポーツ各紙

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 人気グループ「TOKIO」の山口達也さんをめぐる騒動は、所属していたジャニーズ事務所との契約解除という、ファンにとって後味の悪い結末を迎えました。

 事件発覚から本人、メンバーの謝罪会見・報道資料発表など一連の動きについて、元吉本興業の名物広報マンの竹中功さんは「ジャニーズの希薄な人間関係と対応のまずさが、より残念な結果へと導いた」と指摘しています。

山口が信頼を寄せる人間はジャニーズにいなかった

 竹中さんは、吉本時代に極楽とんぼ・山本圭壱さんの淫行事件、たむらけんじさんの焼き肉店をめぐる食中毒騒動などで謝罪会見を仕切ってきた、芸能界における危機管理のスペシャリスト。同社を退社後は“謝罪マスター”を自称し、「よい謝罪」(日経BP社)や「広報視点」(経済界)などの著書を出版するほか、4月から文化放送でラジオ番組を始めるなど各方面で活躍しています。

 さて、TOKIO問題での記者会見や報道資料の内容などから、竹中さんは最も象徴的と感じた点を次の一言に集約します。

 〈山口さんにとって身近だったはずの、ジャニーズ事務所のマネジャーも他のメンバーも相談できる相手ではなかった〉

 「問題が起きたとき、最も大切なのは相手への謝罪に始まり、公表に至るまでの迅速さです。吉本興業でもいろんな経験を経て『困ったことがあれば、まず会社に連絡をくれ』ということを徹底させました。マネジャーがダメなら前任者でも支配人でもいい。もちろん本人が悪いのですが、“相談してもらえる関係になかった”ということが大きな問題。3月の事情聴取などチャンスはいくらでもあったと思う」

伏線は関ジャニ∞渋谷のあの一言

 その伏線は、4月15日の関ジャニ∞の渋谷すばるさんの脱退会見にあったといいます。メンバー脱退の記者会見にグループが出席する“透明性”は評価しながらも、記者の「目標とする先輩がいたか?」との質問に「もしいたら、辞めていない」と答えたことに触れ、「メンバーがそろう中で、どう答えるかに注目が集まるわけです。そこでそう言い切れる。どう言わせるかも含めて、事務所とのコミュニケーション不足というしかない」と指摘します。

 さらに、竹中さんは5月2日に行われたTOKIOメンバー4人の記者会見についても次のように言及します。

 「それぞれ素晴らしく見えました。グッとくる場面もありました。ただ、自分の思いを吐露するのはいいですが、謝罪で最も大事なのは被害者の気持ちを察すること。その意味を意識した発言していたのは、松岡(昌宏)さんだけでした。問題が起きたとき『許す・許さない』のカードは被害者が持っています。その気持ちを察し、怒りが理解に変わって初めて許してもらえるんです。彼の発言が際立って聞こえたのはそういうことが皆さんにも響いたからです」

代理人は芸能界よく知る事務所所属?

 竹中さんは、事件が発覚した4月25日の夜、ジャニーズ事務所が最初に出した報道各社あてのリリースがわずか数行だった時点で「おかしい」と思ったそうです。というのも、同事務所を担当する某法律事務所は他にも大手芸能プロを受け持っており、芸能界のことを熟知している事務所といわれています。

 「それが簡単なリリースだけで、今回の問題を乗り切れないことぐらいは分かったはずなんですが…」と疑問を呈します。

 さらに、翌26日の山口さんの会見の手順についても指摘します。

 「冒頭、山口さんが頭を下げてから、弁護士の方が説明するのですが、7分間もしゃべっている、長いですよ。いくら山口さんが段取りを覚えていても、極度の緊張の中で7分も待たされたら、言うことを忘れたり、間違えたりしますよ」

 だからこそ、「今は(酒は)飲まない」「許されるなら(グループに)戻りたい」といった山口さんの本音を引き出したという側面もありますが、危機管理という点ではダメです。

“上の人間”は逃げてはいけない

 さらに、竹中さんが最大の問題と指摘するのが「会社の人間の顔が見えてこない」。つまり、ジャニーズ事務所で責任を取れる幹部が表に出てこなかった点でした。

 「契約解除される側(山口さん)が事情を説明するのではなく、解除する側もいるわけですから。その一発目に出てきたのが弁護士というのもジャニーズらしいですね。揉めたときにはよく『上の人間を出せ』というじゃないですか。今回も真っ先に責任者が契約解除し、記者会見で『その後のケアは万全を期す』と言えば、山口さんや事務所の印象も違ったはずです」

 さらに、竹中さんは悪質な反則行為で他大学の選手を負傷させた日本大学アメリカンフットボール部の問題にも触れ、「やはり責任者である日大監督が何より先に被害者のもとを訪れて非を認め、すぐに記者会見で説明すべきでした。後手に回ったうえ、23日夜の緊急会見では監督・コーチ、司会の広報担当者までがグダグダ。問題の落としどころや目標を設定しないままに開いた様子がうかえました。名誉挽回どころか日大全体の価値まで暴落させ、残念というしかないですね」。

 日大の問題はともかく、ジャニーズ所属タレントの記者会見には評価の声が多かったですが、スペシャリストの目から見るとまだまだ甘いということでしょうか。(豊田昌継)


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